知っていますか?成功を収めたビジネスパーソンの8割が、キャリアのターニングポイントが「予期せぬ偶発的な出来事」でした。つまり、多くのビジネスパーソンは自身が思い描いていたキャリアではなく、予期せぬ出来事により軌道修正されたキャリアで成功しているのです。
計画的偶発性理論は、1999年にスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授により発表されたキャリア理論です。
計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)とは「キャリアにおける偶然の出来事の影響を積極的に取り込み、よりよいキャリア形成に活用する」という考え方といえます。
1990年代にアメリカで提唱されたこの理論は、ビジネス環境の変化が著しい現代にマッチするものとして注目されてきましたが、終身雇用が崩れた今の日本の労働環境では、ますます重要な考え方になっているのではないでしょうか。
計画的偶発性理論の3つの軸
- 予期せぬ偶発的な出来事がキャリアに影響を与える
- 偶発的な出来事への柔軟な対応が、新たなキャリアを開くことがある
- 偶発的な出来事に出会うチャンスは、積極的に行動することで増加する
つまり、偶発的な出来事には、キャリアアップのチャンスが潜んでいることがある。そして偶発的な出来事は、ただ待っているだけでなく、積極的・計画的に行動することで、遭遇する機会が増えるということです。
計画的偶発を起こすために必要な行動特性
偶発的な出来事をキャリアアップの糧にすすためには、自分自身の意識や努力によって、偶然の出来事を作り出す行動が重要であり、以下の5つの特徴(好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心)があるといわれています。
- 好奇心(Curiosity)
- 持続性(Persistence)
- 楽観性(Optimism)
- 柔軟性(Flexibility)
- 冒険心(Risk-taking)
未知のものに興味を持ち続ける「好奇心」
知らないものに興味を持ち、新しい知識や経験を求め続けること、新しい学習機会を模索することは、チャンスの拡大につながります。また、未知の場所に行ったり、知らない人に会ったりすることは、偶発的な出来事に遭遇するチャンスも増えるでしょう。
失敗に負けずに努力する「持続性」
たとえ失敗することがあっても、努力し続けること、うまくいかなくても諦めないことは、知識やスキルだけでなく、経験も蓄積できます。また失敗の原因を解明し、解決策を模索することで、新たな分野に出会うこともあるかもしれません。
物事に肯定的に捉える「楽観性」
どのような出来事も肯定的に捉え「これはチャンスだ」と楽観的に接することは、偶発的な出来事をキャリアにつなげるカギです。また、予期してたことと違う出来事があったとしても、プラスに捉えて楽しんでみましょう。
何事にも固執せず、状況に合わせて考えを変える(柔軟性)
物事を進めていると、思った通りに進まないことや他人に問題点を指摘されることもあるでしょう。そのとき、自分の信念、これまでのやり方に固執せず、状況や相手に合わせて考えを変えていくこと、問題点や改善策を聞き入れ、必要に応じて取り入れていきましょう。
リスクや恐怖に打ち勝って挑戦する(冒険心)
未知の領域には、当然、失敗するリスクが存在しますが、結果が見えなくても行動を起こすことが必要です。失敗を恐れて行動しないのではなく、学習の機会と捉えて、飛び込んでみましょう。
キャリアアンカー理論との関係
計画的偶発性理論とよく対比されるものが「キャリアアンカー理論」です。キャリアアンカー理論とは、自分の価値観や能力をベースとして明確な目標を設定し、それに向かって知識や経験を積み重ね、目標の実現を目指すものと説明されてます。
これに対し、計画的偶発性理論は、明確な目標はあえて定めず、周囲で起きる偶発的な出来事からチャンスを得ることで、将来の可能性の幅を広げつつ、行き先を軌道修正しながら、より良いキャリアを作っていくというもの言えます。
私は、キャリアアンカー理論と計画的偶然性理論と対比される理論とは捉えていません。キャリアアンカーは自分の譲れない価値観であり、計画的偶然性理論を念頭に行動する中でも、自分のキャリアの方向性を軌道修正していく時の「軸」として活用していくべきものではないでしょうか。


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