大企業かベンチャー企業か

転職

「大企業とベンチャー企業のどちらを選ぶべきか。」

学生の皆さんが自分のキャリアをどう作っていくかと真剣に考えれば考えるほど、最初に選ぶべき会社は大手企業なのかベンチャー企業なのか、とても難しい問題と思えてくるのではないでしょうか。

私は大手企業に入社して3-5年後くらいに辞めていく人たち、また、ベンチャー企業を選んで同じく3-5年後に辞めていく人たちを両方とも見てきました。もちろん、その方の能力や実際にどんな仕事にアサインされたかに大きく依存するため一概には言えませんが、私の結論としては、特にこれからの時代においては「ベンチャー企業」を選ぶことをおすすめしたいと思います。

私が見てきた2名の例を紹介しましょう。お二人とも一定以上のやる気と能力をもっており、一般的には優秀な若手と言われる方々です。業界としてはIT系の会社での話です。

大企業を選んだケース

Aさんは大手商社に入社してIT部門に配属されます。因みに大手商社には所謂社内のITを担うITシステム部門とIT業界で事業を作っていくIT事業部門がありますが、Aさんが配属されたのは後者です。Aさんは入社前から商社で何年間かキャリアを積んでから起業するという目標をもっていました。Aさんのやってきた仕事を大まかにまとめると、関係会社の管理をする、ネットワーク系の機器を販売する、海外の研修員、事業会社への投資といったところですが、結局、Aさんは7年間この商社で働いたのち、この間に出会った仲間と起業しました。

大企業を選ぶことのリスクは、基本的にはどこに配属されるか、いわんやどんな業務を担当するかは自分では選べないということです。運よく配属先は希望通りとなったとしても、どんな仕事をするかは自分の想定とは違うケースも多いことでしょう。しかし、大企業は一般的に研修制度はしっかりしていますので、基本的な社会人としてのスキルは身に着けることができるかもしれません。

大企業を選んだ場合は、例え最初の配属が希望通りでなかったとしても、与えられた業務に一生懸命取り組むという姿勢が重要となります。自分のキャリアプランとして回り道と感じたとしても、長い仕事人生という意味では無駄なことはないと捉えることができるマインドセットを持つことが必要です。大企業は基本的に2-3年での業務ローテーションや異動がありますので、自分が描きたいキャリアへ近づくように次に何をやりたいかを上司に訴えておくことも忘れてはなりません。

ベンチャー企業を選んだケース

BさんはIT系のベンチャー企業のエンジニアとして入社します。その会社は社員40名ほどで、大きく分けてデータ系と広告系の事業を展開していました。Bさんは文系出身なのですが、入社前から漠然とではありましたがデータを分析して活用できるような知見を得たいとイメージしていました。そこでそれができると思われるベンチャー企業を選択し、データ系事業部門に配属され、基本的には先輩からのOJTでの指導によっていろいろな案件を担当しました。結局、Bさんは3年間このベンチャー企業で働いた後、外資系のIT企業に転職しました。

ベンチャー企業を選んだ場合、組織や業務内容も限定されていることから、就職活動で希望した業務に就ける可能性は高いでしょう。自分が想定しているキャリアのスタートが切れるかもしれません。しかし、ベンチャー企業のリスクとしては、言うまでもなく財務的な安定性は低いこと、研修制度を含む会社としての仕組みが整っていないこと、人材の幅も狭いため上司や先輩の能力に大きく依存していまうことがあります。

このお二人のケースは、キャリアのスタートという意味ではいずれも成功例と言えると思います。Aさんのケースでは起業を目標に置いていた為、商社という環境下で薄く広く業務を経験することにも意味があったといえるからです。Bさんのケースではデータ系のエンジニアというキャリアを思い描いていた為、非常に深く知見を溜められる3年間を過ごすことができました。

ベンチャー企業を進める理由

新卒で大手企業に入ることのメリットとして、大手企業に認められるだけの基礎的な能力がある証となると言う方もいるかもしれません。また、そもそも大手企業に入れなくて、ベンチャー企業にいくしかない人も多いかもしせません。それも事実かもしれませんが、その評価は就職活動を迎えた大学4年生時点での一時的な評価でしかないと私は思います。一般的には社会に出てから自分のキャリアを作っていくこととなりますが、「キャリアを作る」という点においては、より深くより早く知見と経験を溜めていくことが重要となることを考えると、なるべく回り道は避けたいところです。自分のキャリアを思い描けている方にはベンチャー企業でどんどん経験を積んでいくことをお薦めする理由です。

一方で当たり前ですが、今、自分が思い描いているキャリアが必ずしも正しいとは限りません。現時点で自分が描いているキャリアは、非常に限られた情報に基づいて想定しているものだからです。自分に本当に向いているのか、仕事内容は想定した通りか、それをやっていて楽しいか等、経験してみないとわからないことも多いはずです。自分に向いているかという判断するためには、少なくとも2-3年という期間は必要と思いますが、自分が思い描いていたものと違う場合には「キャリアを作り変える」こととなります。それまでやってきたことの周りでピボットする、全く違うキャリアに挑むこともあると思います。ここで私は大手企業を選択することの大きなデメリットとして、そこに何年か務めてしまうと安定した環境に慣れてしまい、次に向かう気力を持ちにくくなってしまうことがあると感じます。もちろん、その安定がこれまでの終身雇用のように続くのであれば、その選択肢もあったと思いますが、これからの日本の大企業では非常に中途半端なかたちとなり、辞めさせられることはないが決して安定した生活とはいえないものとなっていくと予想します。

「キャリアを作る」という前向きな意味でも、「キャリアを作り変える」場合に自分を甘やかさないという意味でも、これからの時代はベンチャー企業を選択することをお薦めするものです。更に付け加えるとすると、しっかりとした知見と経験を積んだ後では、大企業を選択することもできるようになります。今後、大企業でも中途採用の割合は増えてくるのは間違いありません。自分が作ってきたキャリアを売り込んで大企業で働くことが、当たり前の選択肢のひとつとなっていることでしょう。







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