40代、50代でキャリア不安を見直す3つのステップとは?

キャリア開発

40代、50代で漠然としたキャリアへの不安や行き詰まりを感じる中で、どのようにキャリアを見直したらよいでしょうか。キャリアを見直すための3つのステップを紹介します。

自己理解を深める(自分の価値観を言語化する)

自分のこれまでの仕事経験を振り返って、自分の大切にする価値観や働き方の好みを整理してみましょう。以下の質問への何と答えるでしょうか。

「自分は仕事で何を大切にしているのか」

「どのような仕事や環境で最も満足感を得られるか」

「どんな仕事に熱くなったか」

「どんな仕事に没頭したか」

40代を過ぎれば、いくつかのシーンや自分がどのように仕事に向きあってきたかを思い浮かべられるはずです。この価値観の再確認は、今後のキャリア選択において非常に重要なのです。一方で、価値観を言語化することには慣れていないと思いますので、仕事を選ぶ上で大事にしたい価値観は何か、以下価値観リストを参考として考えてみましょう。一つとは限らないと思います。じっくりと時間をかけて深く考えてみてください。

「価値観」の言語化

  • 専門性を生かしたい
  • 仕事の中で専門家としての能力を発揮したい
  • 経営に関する仕事をしたい
  • 管理者、経営者になることを目指したい
  • ⾃分のやり方や⾃分のペースで仕事をしたい
  • 組織で働くよりも独立して仕事がしたい
  • 安定している組織で働き、確実な報酬を得たい
  • 中小企業よりも⼤企業で仕事がしたい
  • 新たな組織の起業や、組織の再建等の仕事がしたい
  • 開発や発明等の創造性のある仕事をしたい
  • 世の中をよくするための仕事をしたい
  • 医療や福祉等の人や社会に貢献できる仕事がしたい
  • 誰もが尻込みする困難な仕事にチャレンジしたい
  • 安定よりも挑戦を求めて仕事がしたい
  • 仕事だけではなくプライベートを⼤事にしたい
  • 育児や介護休暇等が取りやすい組織で仕事をしたい
  • その他(自分で言語化してみて下さい)

この自分の大切にする価値観のズレについては、実は気付いていない方も多いし、ズレていたとしても目を瞑って仕事を続けている方も多いです。改めて自分の価値観に従った仕事とは何かを考えてみてください。

キャリア・アンカーとは?

また、個人の譲れない価値観を測る手法として、「キャリア・アンカー」があります。自分が思っている価値観を検証する手法として、一度、トライしてみては如何でしょうか。

スキルと経験の棚卸し(自分の強みを言語化する)

これまでのキャリアで培ってきたスキルや経験を振り返ってみましょう。どのスキルが特に強みであり、どの経験が今後のキャリアに役立つかを見極めることが重要です。ここで言う「スキル」とは、業務遂行のためのテクニカルスキルですので、語学や資格、ITスキルを含めて洗い出してみてください。一方、「経験」の棚卸しは何となく難しいと思われる方も多いのではないでしょうか。

「強み」はポータブルスキルで整理する

「経験」の棚卸しに有効な方法をご説明します。クライアントと話していると「30年近く会社にいて、いろいろな仕事に経験してきたのですが、私には特に専門性もないので「これができる」と言えるものはないのです。」と言われる方がとても多いです。そのような方は、まずこれまでの自分の仕事上の経験を振り返ってみて、以下ポータブルスキル(汎用基礎力)を参考にして自分の「強み」を考えてみましょう。

  1. 人間関係を作る力
    • 誰とでも気軽に話せる
    • 相手に立場に立って話を聞く
    • 相手の考え方や価値観を大切にする
    • 信頼関係を築く
    • 繋がりを大切にする
  2. 人と協働する力
    • 力を合わせて物事を進める
    • 情報共有する
    • 足りないところを補い合う
    • 相談にのる
    • 切磋琢磨する
  3. 人に影響を与える力
    • やる気を引き出す
    • リードする
    • わかりやすく伝える
    • 交渉する
    • 調整する
  4. 課題を発見する力
    • 情報取集する
    • 問題を分析して整理する
    • 納得いくまで掘り下げる
    • 何が一番大事か考える
    • 常識にとらわれない
  5. 計画を立案する力
    • 目標を明確にする
    • アイデアを形にする
    • 実現可能な計画を立てる
    • リスクを想定して対策を考える
    • 業務のプロセスを考える
  6. 課題を遂行する力
    • 必要に応じて修正を行う
    • 確実に実行する
    • 納期を守る
    • 品質を守る
    • 結果を検証して次につなげる
  7. 自分の状態を整える力
    • 自分の感情をコントロールする
    • ストレスを解消する方法を知っている
    • プレッシャーを力に変える
    • 自分の状態を客観的にとらえる
    • 気持ちの切り替えが早い
  8. 前向きに捉える力
    • どのようなことからも学ぶ
    • やる気を維持する
    • 新しいことに挑戦する
    • できる限り努力する
    • 変化を機会だととらえる
  9. 主体的に進める
    • 情熱をもって進める
    • 人に頼らず自分の考えを大切にする
    • 引き受けたことに責任を持つ
    • 根気強く物事に取り組む
    • 状況の変化に応じて進め方を変える

「強み」と「業務経験」をセットで整理する

ポイントは、自分の選択した「強み」が発揮された業務の「経験」とセットで整理することです。例えば、「業務改革プロジェクトのプロジェクトリーダーを担当していた際、各部門からのメンバーの意見が異なっていたが、各メンバーの考え方を大切にしながら調整して信頼関係を築くことでプロジェクトを完遂できた」、「新規サービスの企画業務において、常識にとらわれず、何が一番大切かを考えて、自分のアイデアが採用された」、「人事担当として、相手に立場に立って話を聞くことを大切に社員と接してきたが、多くに社員から信頼を得て相談を受けるようになり、その内容をベースに人事制度の修正を提案し改善できた」というイメージです。できる限り具体的な状況、その時に課題、行動(意識)、結果を思い出して整理してみましょう。

キャリアの目標を再設定する

40代、50代のクライアントの相談を受けていると、「キャリア目標を立てる」と考えたことがある人は非常に少ないです。なぜだと思いますか?

40代、50代に欠落している経験とは?

40代、50代の方は就職してから20年、あるいは30年の間、一つ(またはいくつか)の会社に勤め、その中で多様な経験をしてきたと思います。きっと大変な苦労も含めて、多様な経験の中で成長してきたと実感されているため、たいていのことは経験してきたと思われるでしょう。

しかし、その中にあって、今の自分を悩ませている原因となっている決定的に欠落している経験があります。それは、仕事上で「自分が何をするか自分で決める」という経験です。

もちろん、大学受験で第一志望の大学に進めなかったり、就職活動で行きたい会社に行けなかったりして、次にどのような道に進むかを自分で決めたという方はいらっしゃるでしょう。そんな方も、ひとたび会社に入ってからの自分を振り返ってみてください。

次に何をするかは、自分ではなく会社が決めていませんか?もっと続けたいと思っていた仕事からの異動、単身赴任で家族と離ればなれになる異動など様々ですが、基本的に次にどのような仕事をするかは、会社の意向によって決められてきました。基本的にそれに逆らうことはなかったのではないでしょうか。日本の会社は、社員の能力開発を進め、様々な経験を提供するという人事方針の下、社員のキャリアの選択権を握るのです。社員の希望は聞いてくれるかもしれませんが、社員に選択権はありません。多くの人は、知らず知らずのうちにそのような状況に慣れてしまい、それが当たり前と思うようになってしまいます。皆さんもそうなっていませんか?

5年後、10年後のありたい姿を明確にする

それでは、5年後、10年後に自分のありたい姿をイメージしてみて下さい。そう言うと、以下のような反応が返ってくるかもしれません。

「もうこの年齢なので、ありたい姿って考えるのに意味があるんですか?」

「もう、定年間近なので、今と同じ仕事をやっているんじゃないかな。」

「人生100年時代といわれているので不安だけど、やりたいことを見つけるのは難しい。」

自分のありたい姿を見つけるためには、以下をヒントとしてみましょう。

  • これまでのキャリアを振り返って整理した自分の価値観や強みを活かせる分野をベースとして、定年後の65歳以降もイメージしてもやりたいこと、やりがいを持てること
  • 今の会社にいることを前提としたとしても、「今の仕事の専門性を深める」、「今の仕事の周辺の仕事に幅を広げることでできることを増やす」、「会社内で興味あった別の仕事を始めて定年後の人生に活かす」といった視点をもつこと
  • 新しい変化やチャンスに対して柔軟であること。環境や状況が変わる可能性を考慮し、プランを定期的に見直すこと。

5年後、10年後にありたい姿をできるだけ具体的にイメージして、解像度を上げることで、この5年間、10年間を漫然とすごすのではなく、目標に向けて行動することができます。キャリアの方向性を明確にできるのです。

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